家賃の値上げ通知が来たので値上げ額を減らすチャレンジした話

2025-10-14

はじめに

これは別に不動産業関係者でも何でもない一般人が、Google検索とGeminiを頼りに家賃増額の請求に少しだけ抗ってみたときの備忘録です。

最近は物価高騰により同様のケースが増えてそうなため、よければ参考にしてください。

なお、ガチヤバい請求(現在の賃料の5%を余裕で越えるレベルの増額請求など)はさすがに弁護士に相談などしてください。

キーワード

やり取りの流れ

  1. まず賃料増加額について、何故その額なのか根拠を示すよう依頼する
  2. 近隣の似た条件の物件情報(いつ、月額いくらで取引の募集があったかなど)が送られてくる
    • これは新規賃料であり、いま基準にすべきは継続賃料であることを把握しておく
  3. 1坪あたりの相場などから算出された賃料等総額の情報が添えられた場合、それをもとに継続賃料を計算してみる
    • この計算法は差額配分法というもの
    • 最終的に争点となるのは、この差額配分法で用いる定数「配分率」
  4. 一般的には「折半法」や「3分の1法」などがあるらしいので、差額に0.5や1/3をかけた額が適切な増額ではないかと交渉する
  5. 少なくとも最初に提示された増額よりは少ない額で合意が取れるはず

※管理会社や大家さんとの良好な関係維持のためにも、無視などせず建設的に話を進めましょう

本編

賃貸契約更新の時期が来ました。 そんで一緒に賃料改訂だとか何とか書かれた書類が入ってました

昨今の諸物価高騰及び近隣賃料の変動等に伴いまして~

それは分かるが、何故その賃料に増加するかの根拠が示されてないじゃないか!
(ちなみに4,000円アップでした)

借地借家法32条では、貸主と借主双方の協議が調わない限り増減額できないとあります。

当然これは、現在の賃料が不相当であるという根拠さえあれば、ある程度は認めるしかない。
たとえ合意しなくても、裁判を起こされて負けてしまえば増額に従わなければならない。

昨今の物価高騰は事実なので、賃料増額に応じないというのは非現実的。
裁判起こされたらまあ負けるでしょう
(とはいえ、SNS見てると1発抗議しただけで諦めてくれるケースもあるにはあるよう……)

であれば争点は「どれだけ賃料の増額率を下げれるか」となるでしょう。

調べてみると、どうも賃料には「新規賃料」と「継続賃料」というものがあるらしい。

新規賃料とは名前の通り、新規に賃貸借契約を締結する際の賃料。
対して継続賃料とは、賃貸借契約を「更新」する際に締結する賃料というような感じ。

ここまで分かったので、ひとまず賃上げ料の根拠となるデータを見せてもらおうじゃないか。

という訳でGeminiと一緒にメール文面を作成。
こういう堅苦しい系の文面考えるの面倒なので助かるね

送った文面は以下の感じです。
適当言って分量を盛ってます。

賃貸借契約更新と賃料改定のご提案を拝見いたしました。 近年の物価上昇に伴う諸費用の増加については、ご事情お察しいたします。

しかしながら、賃料増額の根拠となる情報が著しく不足していると拝察いたします。

大変お手数ですが、賃料の増額を4,000円とする根拠となる情報をご提示いただけないでしょうか? 具体的には、借地借家法第32条で定められている以下の3点に基づく根拠、
・租税その他の負担の増減
・土地建物の価格の上昇その他の経済事情の変動
・近傍同種の建物の借賃との比較
および、増額が4,000円となるに至った具体的な賃料算定方法、特にその算定は新規賃料の周辺相場に基づくものでなく継続賃料によるものかなど、
詳細な資料をお示しいただきたく存じます。

誠に恐縮ですが、これらの根拠なしにご提示いただいている家賃増額は、現時点では承諾いたしかねます。

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただけますようお願い申し上げます。

このメールは早朝に送ったのですが、昼過ぎには返事が来てびっくり
返事の要点は以下の通り。

  • 近隣の条件が近い賃貸の募集事例がまとめられたPDF資料を添付
  • 現在の1坪あたりの賃料等単価の相場から、契約物件の賃料等総額の計算額を提示
  • 4,000円までとっはいかなくても、いくらか値上げに同意してほしい

ぱっと見だと「継続賃料の情報どこや!」となりましたが情報これで十分でした。

新規賃料の相場の情報は手に入ったので、差額配分法とかいうやつを使って妥当と言えるであろう継続賃料を計算してみようではないか。

この差額配分法の計算式は以下の通り。

  • 現在の賃料 + (新規賃料 - 現在の賃料) × 配分率

詳しくは以下の記事が分かりやすかったです。

ここで争点になるのが「配分率」となります。

一般には折半法や3分の1法と言われているものがあるようで、たとえば差額が6,000円のとき、折半法なら3,000円、3分の1法なら2,000円の増額が継続賃料としては適切ではないか、という感じ

今回の場合は直感的に3,000円くらいが妥当だろう、その程度ならギリ許せると思ってたので配分率は気持ち高めに3分の2として交渉してみました。

結果として、メール2往復のやり取りで協議が調いました。

穏便にサクっと済んで良かった反面、
素直に配分率2分の1として2,000円まで下げれたかもという気持ちもあり……

もう少し粘ってもよかったな、と思うなど

とはいえ、そのまま増額に応じたり、無理に引越すことよりかは全然コスパ良く済んだかな、という感想。
(4,000円が3,000円になるだけでも、次の2年間の契約で1,000円×12か月×2年=24,000円を損せずに済んだ訳なので)

参考文献

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