LaTeX 文書作成入門 【プリアンブル編】

2020-08-10

今回はLaTeX文書作成入門の1記事目として、文書全体の設定を記述する「プリアンブル」についてまとめますわよ。

「プリアンブル」とは

文書の設定は基本、「プリアンブル」に記述します。

プリアンブル」とは、ファイルの先頭から\begin{document}の前までに書く前文のことです。

ここで、作成する文書の種類や言語の定義、文書内で使う追加パッケージのロード、パラメータの設定を行いますわ。

以下に一例を示します。

sample.tex
\documentclass[12pt, a4paper]{jsarticle}
\usepackage{siunitx}
\title{Title desuwa}

\author{Loliver}
\date{\today}

次節より、各コマンドについて詳しく見ていきましょう。

documentclass

LaTeXで文書作成をはじめるとき、まず作成する文書の種類をdocumentclassで定義します。

文書クラス(\documentclass{}の波括弧部)の定義は必須ですわよ!

以下に文書クラスの種類の一部を示します。

種類

欧文クラス

和文クラス

和文クラス(改良版)

和文クラス(もっと改良)

論文

article

jarticle

jsarticle

bxjsarticle

書籍

book

jbook

jsbook

bxjsbook

報告書

report

jreport

jsreport

bxjsreport

この他に、図や文書の一部だけを出力するためのstandaloneクラスやスライド用のbeamerクラスなど、いろいろ種類があります。気になった方は是非調べてみてくださいね。

つぎにオプションを指定します。

オプションは\documentclass[]{}の角括弧内に書きます。

複数のオプションはコンマ区切りで追加できます。

当然オプションですから、指定可能なものを全部書く必要はなくてよ。

用紙サイズ

オプション

a4paper

a5paper

b4paper

b5paper

a4j

a5j

b4j

b5j

a4p

a5p

b4p

b5p

letterpaper

legalpaper

execuivepaper

a4ja4paperは日本語組版向けの、余白がちょっと狭くなったやつ。

でも基本a4paperしか使わんし見ないな

あ口調が

文字サイズ

10pt, 11pt, 12ptのような値を指定できる。デフォルト値は10pt

jsarticleでは8pt, 9pt, 10pt, 11pt, 12pt, 14pt, 17pt, 21pt, 25pt, 30pt, 36pt, 43pt, 10ptj, 10.5ptj, 11ptj, 12ptj, 12Q, 14Qが指定できる。

ptは欧文フォントのサイズであって、これで出力される和文フォントは実際には指定したサイズではなかったりします。

そのためにptjという和文フォント向けのものが用意されてます。Qはなんか級数指定とかいうやつらしい。

日本語の文書なら[a4j, 10ptj]にすべきかもね(2020/08/19追記)

レイアウト

オプション

機能

twocolumn

二段組

fleqn

数式を左寄せに(デフォルトは中央寄せ)

leqno

数式番号を左寄せ

tate

縦書き

landscape

用紙を横向き

などなど

数式は中央寄せ派左寄せ派が存在する。

タイトル

タイトルは、プリアンブルであらかじめ「タイトル、著者、日付」を設定した上で、document内で\maketitleコマンドを書くことで表示される。

\title{Title desuwaaaaaa}
\author{Loliver}
\date{\today}

\begin{document}
  \maketitle
  本文
\end{document}

タイトルページ有りの場合は\documentclass[titlepage]{}のように、documentclass`に`[titlepage]オプションを追加する。

以下のようにtitlepage環境をdocument環境内に書く方法もあるようですがまあ前者使うやろ

\begin{titlepage}
  \maketitle
\end{titlepage}

ちなみに日付は\todayコマンドで現在の日付が自動で入力してくれる。

レポートなら提出日にしとくべきだけど提出前に書き換え忘れそうなら\todayでいいと思う

usepackage

\usepackage{}コマンドでいろんな便利なパーッケージを読み込めるよ。

例えば最初の例に書いてあるsiunitxはSI単位を出力してくれるコマンド集だよ。

ほかにも、tikzはLaTeX文書内でグラフを作成できたり、listingsはソースコードをきれいに出力してたりと。

graphicxは図を扱う上で絶対入れておくべきやつ。

graphicx入れてコンパイルエラー出たりしたときはdocumentclassにdvipdfmxオプション追加してみてね

マクロも宣言できるゾ

プリアンブルでは「マクロ」を宣言することができます。

マクロとは、バックスラッシュで始まるコマンドのことで、例えば\todayと入力するだけで現在の日付が出力されたり。

ぼくは「わざわざ\expコマンド使うのは指数部が複雑なときなのに括弧なしはねェだろうよ」ということで

\renewcommand{\exp}[1]{\mathop{\mathrm{exp}}\nolimits\paren{#1}}

って感じで\expコマンドをアレンジしてたりします。

マクロ完全に理解できないのでここで詳しいこと書くのは控えておききますわ。


今回はここまで。

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